13・8・7 第55回自治体学校院in新潟
分科会「孤立を防ぐ地域コミュニティ」に参加して

 第55回自治体学校in新潟が、8月3日から5日の日程で開催されました。
 私は4日の第4分科会だけ参加しましたので、報告させていただきます。

 第4分科会では江東区の職員組合から「ひとり暮らし高齢者等の実態調査」の報告がありました。

 介護保険制度が始まって12年が経過、いま地域で何が起こっているのか、問題を解決する方策はあるのか、行政の果たす役割は何か、この課題に取り組むため、江東区職員組合の呼びかけで学術研究者や高齢者福祉関係者、地域住民の方々、保健師などの区職員が集まり、2010年9月に「こうとう福祉プロジェクト」が発足した。

 江東区では2010には246人が孤独死で発見されており、その8割が60歳以上だった。こうした状況から、「こうとう福祉プロジェクト」では高齢者の生活等実態調査に取り組む必要があることを痛感、明治学院大学社会学部の河合克義教授の研究チームに調査を依頼した。昭和40年代に建設された区内の都営住宅3カ所、UR住宅1か所を選び、「ひとり」「2人」暮らしの高齢者を対象に2011年2月から3月にかけて郵送によるアンケート調査、10月に訪問ヒヤリング調査をおこなった。

 江東区は人口約47万人、全世帯の8割が集合住宅に居住、高齢化率19.7%(東京都20,4%、全国23%)と比較的低い。
 調査結果から、都営住宅で極地的高齢化が進み、高齢化率50%の「超高齢化コミニュティ」が存在している。A都営住宅では70歳以上が36.9%、住民の半数が一人暮らしであった。

  「健康状態が悪い」「経済的に苦しい」と感じている人ほど社会的孤立におかれているケースが多く、近所からの手助けに対する抵抗感では、非常に感じる36.8%、やや感じる26.1%、両方で62.9%にもなり、近隣住民からの支援に対して抵抗感が高い傾向が明らかになった。住宅の困りごとは、UR住宅では「家賃が高い」88.6%で、都営住宅では、「老朽化」57.7%、「階段の上り下り」39.2%でした。

 日常生活の困りごとでは、役所などの手続き8.3%、掃除・洗濯7.5%、外出7.5%、買い物7%、食事の支度6.6%、通院・薬とり5.1%、銀行の出し入れ4.1%、ゴミ出し3.2%でした。

 高齢者の社会的孤立を防ぐには、地域の連帯が必要がと思いますが、近隣住民からの支援に対して抵抗感が高い傾向がありますが、これは日常的な交流が不足しているからではないでしょうか。高齢者の社会的孤立をなくすには日常的な交流が大切だと痛感しました。


(13/09/22)