もちづき久晴議員 党を代表して
議員定数削減条例に反対討論


 日本共産党戸田市議団を代表して議員定数条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論を行います。

 民主政治の基本は、市民多数の意見に基づいて政策を決定することと同時に、市民の少数である多様な意見も合わせて、政策に反映させることです。こうした民主政治の根本を担うのが多様な市民の意見を代表して市民各層から選出された議会議員であります。
 議会の役割は、立法府として条例・予算を審議し可決成立させること。第二は、行政に対するチェック機関として行政の様々な分野に渡ってチェックして、市民の立場で行政の不合理を正すこと。第三は、市民の要求・要望に耳を傾け、行政に反映させることです。議会がこうした役割りを果たしていくには、市民各層から選出され、市の人口に見合った議員がいることが最も重要であります。
 戸田市の人口は埼京線開通以来、どんどん増え続けており、当時7万人が、今や12万人を越え、5万人も増えております。この間、議員定数は30名から27名に三名も削減されました。議員一人当たりの人口は2333名から4.444名に1,9倍に増えています。さらに一名減らせば議員一人当たりの人口は4.615名にもなり、埼京線開通時の2倍にもなります。議員一人当たりの人口が2倍に増えたということは、議員と市民との関係が2分の1希薄になったということであり、市民から見れば市政が非常に遠くなったということであり、民主政治を発展させる立場からすれば大変マイナスであります。

定数削減を主張する人達は、蕨市や鳩ヶ谷市が定数を18名にしたことを最大の理由にあげていますが、蕨市や鳩ヶ谷市はこの間ほとんど人口が増えず横ばい状態で推移してきました。鳩ヶ谷は地下鉄開通で最近人口増加傾向になって来ましたが、それでも議員一人当たりの人口はわずか3.299名です。蕨市でも議員一人当たりの人口は3.792で戸田市より650人も少なくなっており、蕨市・鳩ヶ谷市を例とした削減論は戸田市にはあてはまりません。

さらに戸田市は人口と共に財政規模と行政規模も年々拡大しております。行財政規模が年々拡大して行けば、それをチェック監督する議会の役割も当然強化されなければなりません。ところが議員定数の削減は強化しなければならない議会のチェック能力を弱めることになってしまいます。

 行財政改革の立場から議員を減らし財政負担の軽減を図るべきとする考え方も結構あります。これは多くの市町村が地方交付税の削減、人口の高齢化、地場産業の衰退、などで自治体財源が悪化したためです。しかし、戸田市の財政力は財政力指数1・5に見られるように県下一を誇り、毎年向上しています。
 また、行財政改革の中で職員定数の削減が行われている中で、議員も減らすべきとの意見もありますが、戸田市は人口が増え、行財政規模の拡大と地方分権により、行政事務量も大幅に増えています。その中で正規職員の削減を行っていますが、正規職員の削減を分以上に、大量の臨時職員や業務委託で補っており、正規職員の削減を理由とした議員定数削減も当たらないのではないでしょうか。
 人口増や行財政規模の拡大に、見合った議員定数を確保しなければ、市政の民主運営を維持することも、市民の利益を守ることも出来なくなってしまします。
 よって、議員定数条例の一部を改正する条例に反対するものであります。

(2008年7月6日)