戸田市水道ビジョン

黒字決算なのに大幅値上げを提言



 戸田市上下水道部は、「安全で安定的な水道水の供給を実現するために」とし、「戸田市水道ビジョン2014」を12月9日発表しました。そして、広く市民の意見を反映させるためにパブリックコメントを1月5日から2月5日まで実施しています。戸田市は料金の改定や新しい事業を行う場合にパブリックコメントを行いますが、市民の意見を聞くだけで、意見を反映させることはほとんどないのが残念ながら現実です。

 「戸田市水道ビジョン2014」は、施設更新費用を最大の理由に大幅な料金値上げを行うことが目的です。本市は年々給水人口が増加しているが、有収水量は平成17年度をピークに減少傾向にあります。これは電化製品が節水型になっているため、一般家庭用の有収水量は横ばい傾向であるが、大口利用者の有収水量が減少傾向にあるためです。しかし25年度決算を見ても、料金収入20億2700万円で、その他の収益が4億4200万円もあり合計で24億6900万円となっています。支出は、受水費7億6100万円、減価償却費等7億1000万円、支払利息1億6000万円、給与1億3300万円、その他4億1200万円で合計21億7600万円となっており、差額の純利益は、2億9300万円と黒字決算となっています。

  戸田市の経常収益比率は、113・6で全国平均の108・2を上回っており、近隣市平均の113・8を0・2下回っているだけで、現在、財政的には何の問題もありません。戸田市の給水収益に対する企業債の残高の割合は、年々減少傾向にあり275・3%で、全国の平均430%、埼玉県の平均495%を大きく下回っており、近隣市の平均263・4%を若干上回る程度で、これも問題になる割合ではありません。
管路の耐震化率は、戸田市は49・1%で、全国平均5・9%、県平均4・6%、近隣平均27・3%と比べてダントツに進んでいます。漏水率は、戸田市3・3%で、全国平均6・7%、県平均7・9%、近隣平均4・4%と、これも一番です。戸田市は水道料金も他市と比べ安くなっていますが、戸田市の水道事業は料金が安くても健全な経営を維持しています。

 しかし、「戸田市水道ビジョン2014」では、何を根拠にしているのか明確ではありませんが、本市水道は、給水開始から50年余が経過しており、一斉に大量更新の時期を迎えることしなるとして、今後50年間に534億円の施設更新費用が必要になり、年間平均10億円の投資を行う資金を確保する必要があるとしています。そして、起債に依存しない経営を行うとして、料金の見直しが必要であると結論づけています。現在の料金収益は、年間約20億円であり新たに10億円を確保するとなれば、50%程度の料金の値上げが実施される可能性が強まっています。

  日本共産党戸田市議団は、現時点においても約3億円の黒字で借入金残高も減少し健全化経営が維持されているなかで、水道料金の値上げは全く必要ないと考えます。今後、市民のみなさんと協力して値上げ反対運動を展開していく決意です。

[2015/1/16]